江田記念病院 見上 光平 院長

江田記念病院 見上 光平 院長 KOHEI MIKAMI

医師を志されたきっかけについて教えてください。

幼少期はお医者さんが近隣に1名しかいらっしゃらない田舎に住んでいました。その開業医の先生に何度か診ていただいているうちに、医療にあこがれて医大を受験しました。順天堂大学医学部卒業後は同大医局に入局し、10数年ほど胸部外科を専門としてお世話をさせていただきました。そして1996年にIMSグループに入職し、板橋中央病院、新戸塚病院(内科医に転向)での勤務を経て2012年1月より江田記念病院に来ました。二代目の院長です。

診療方針と、IMSグループ内での江田記念病院の役割についてお聞かせください。

まず診療方針ですが病院で掲げているものは、(1)挨拶と笑顔を大切にし、何人にも誠意をもって接します(2) 地域の医療ニーズに対して関連機関と連携し幅広く対応します(3)説明と同意に基づいた全人的な医療と介護をチームで実現します(4)安全・安心で納得のできる医療を提供します….の4つです。患者さんがどのようなお悩みをお持ちで、当院に何を求めて来院されたかを丁寧にお聞きし、誠心誠意をもってお世話をさせていただきます。また当院で治療が難しい場合は、責任をもって専門の医療機関を紹介させていただきます。 IMSグループには病院が36か所あり、それぞれ独自の強みと役割を持っています。役割に「急性期型病院」「回復・亜急性期型病院」「慢性期型病院」の3つの類型があり、当院はそのうちの「慢性期型病院」にあたります。「急性期型」「回復・亜急性期型」の2つが急を要する治療を担うのに対し、「慢性期型」は急性期治療が済んだものの通院治療に移れない患者さんを受け入れさせていただいています。また当院には精神科を併設し専門の医師と治療施設を擁していることが「強み」です。手術や内科的治療がゴールに到達したからと言って、すぐに日常生活に移ることが困難な患者さんはたくさんいらっしゃいます。さまざまなご不安やお悩みを解決しながら自立のための道を探っていくことが、わたしたちの役割です。

こころの病を患われた方が社会復帰するための「精神デイケア」について詳しく教えてください。

精神科のリハビリテーション・プログラムです。統合失調症やうつ病を患われた患者さんが社会復帰するためのステップとしてご利用いただいています。薬などで症状が落ち着いても、他者とのコミュニケーションや会社での時間の流れなどを考えますと、すぐに発症する前のように仕事や日常生活に戻ることは困難です。そこで集団生活に慣れていただくために、コミュニケーションを取る上で支障をきたしそうな問題を1つずつ解決していきます。プログラムには、楽器やヨガなどのレクリエーションのほか、数人1組でチームを組んでイベントの企画・開催をする項目もあります。たとえば院内の文化祭を企画するのですが、まずは委員を選びどのような演目を行うのかを話し合います。ここで重要なのは文化祭が開催されることではなく、開催までのやりとりのプロセスです。意見の違いを修正し、話し合いをまとめて1つずつ実行に移していきます。コミュニケーション障害を持つ方は、伝え方の問題で周りの方との軋轢を起こします。そこでソーシャルワーカー、作業療法士、看護師などのスタッフが中に入って方向性を修正してまとめます。プログラムが進む中で、人と集まり人前で話すのにどんどん慣れていただくのです。最初は比較的おとなしかった方が、半年~1年後には人前で意見を言い自発的にいろいろなことをやれるようになることもあります。

「もの忘れ外来」はどのような方を対象にした診療なのですか。

横浜市青葉区は、高齢者の割合が全国的に高いことで知られています。やはりこの地域で確実に認知症の患者さんが増えており、ご家族の方が最初に発見する症状が「もの忘れ」です。しかし「もの忘れ」は認知症だけに認められる症状ではなく、高齢者うつの初期症状の可能性もあります。実はこの判別がとても難しい時があります。そこで専門家がそれをきちんと見分けるための外来として開設いたしました。うつ病と一部の認知症は薬で治ります。あくまで認知症専門の外来ではなく、「もの忘れ」を通じてその他の病気を見つけていくものです。高齢の方だけではなく、働きざかり世代の方もいらっしゃいます。ご本人が自覚している「もの忘れ」は必ずしも病的なものとは限りません。もちろん加齢によるものもあるのですが、ご本人が以前の様子と比較して極度に心配になり受診されるケースもあります。検査を通じて病気を見極め、適切な治療をすることが狙いです。

診察で心がけていることと、最後に地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

治療で心がけていることは、難しい言葉を使わずにご説明することです。平易な言葉で置き換えるほか、絵や図を使ってご納得いくまで説明いたします。またご高齢の方にはゆっくり大きな声で説明しなくてはなりません。患者さんが何を望んで受診されたのかを理解し、ご意向に合わせた治療も心がけています。幸いなことに、わたしには研修医時代からロール・モデルとなる先生がたくさんいらっしゃいました。目標にしたい先生はもちろんですが、「反面教師」となってくださった方ともお会いしてきました。それがわたしの「強み」かもしれません(笑)。地域のみなさまには、どんな小さなことでもお気軽に相談していただけたらと思います。スタッフ全員真心をもって患者さんをお迎えいたします。
※上記記事は2014.06に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

江田記念病院 見上 光平 院長

江田記念病院見上 光平 院長 KOHEI MIKAMI

江田記念病院 見上 光平 院長 KOHEI MIKAMI

  • 出身地: 神奈川県綾瀬市
  • 趣味・特技: ペットとの時間、大山・丹沢散策
  • 好きな本: 歴史小説
  • 好きな映画: 「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ(2005年~、東宝)
  • 好きなアーティスト: 山本潤子(元ハイ・ファイ・セット)
  • 好きな言葉: 日本の自然を残したい
  • 好きな場所: 神奈川県西部(とくに山岳地域)

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