釼持 睦 院長(むつみクリニック)のインタビュー

むつみクリニック 釼持 睦 院長

むつみクリニック 釼持 睦 院長 MUTSUMI KENMOCHI

大学卒業後、耳鼻咽喉科を専門に研鑽を積む。大学病院や関連病院で経験を重ねるほか、海外留学を経験。2004年、「こどもの国駅」に開業。

この道に至るきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。

実家が開業医だったものですから、父の仕事をずっと見ていたというのは、まず1番大きなことですかね。それから、私は男4人兄弟の3番目になるんですが、上の2人が先に医師を目指したことで、その影響を受けたということもあるかと思います。父は外科医でしたが、なにせ田舎なものですから、科を問わず、全てを診るのが半ば当たり前のような状態でした。今で言う、ジェネラルドクターというところですね。私は、もっとスペシャリティなことをやりたいと思い、耳鼻咽喉科を選択したのです。
なってみて実感することは、この科が、“見て”評価出来るという部分ですね。ファイバースコープを使ったり、内視鏡を使ったりと、ほとんどのものを見ることが出来る。そこへいくと、内科さんは大変だと思います。検査等のデータを元に、「こうだろう…」と推測して診断をくださいといけないわけですから。目で見て、確信を持って患者さんに向かい合えるというのは、この科の魅力ではないでしょうか。
聖マリアンナ医科大学を卒業した私は、間に留学をはさみながら関連病院に勤務し、平成16年(2004年)に『耳鼻咽喉科むつみクリニック』を開院致しました。私はそれ以前から、ここより歩いて15分という場所に住んでいましたで、「開業するならばこの地域で…」という風に思っていたのです。

患者さんのよくある症状を教えてください。

1番多いのは副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症。それから、アレルギー性鼻炎。患者さんのおおよそ8割が鼻炎関係ということになるでしょうか。アレルギー性鼻炎の治療につきましては、対症療法としての内服薬の服用、あるいはレーザー治療がまず挙げられます。レーザーの場合、症状の8割方を軽減することが可能ですが、その副作用として粘膜の損傷が懸念されるところです。当クリニックでは、レーザー治療に代わるものとして、薬剤を用いた治療法を取り入れています。レーザーに比すればその効果はいくぶん小さいものの、粘膜を傷つけることなく、鼻本来の生理的機能を損なう恐れがない処置と言えます。

難聴と耳鳴りの研究に長く携わっておられるそうですが?

高齢者が増えてくると、必然的に老人性の難聴を訴える方がどうしても多くなってきます。また、個人差はあるものの、難聴が強くなると、どうしても耳鳴りという現象が出てくるようになるのです。統計によりますと、65歳以上の方の5人に1人が耳鳴りを持つと言われています。そのうち、8割以上の方は、耳鳴りをそれとして受け止めて生活を送れるのですが、残りの2割の方については、現象を受け止めることが出来ず、生活に支障をきたすということになるのです。難しいのが、耳鳴りはうつ病とリンクしてしまう場合があるということです。診断によって必要が生じたらば、メンタルクリニックの先生の元へとご紹介するということになります。
耳鳴りはいまだそのメカニズムが解明されておらず、ゆえに、根本的な治療が不可能とされています。現状では、症状をやわらげる、あるいは、それをそれとして受け止めてもらえるようにアドバイスするしかありません。将来のこととして、耳鳴りをやわらげるのではなくて、止めること。根本治療をなんとか実現していきたいと考えています。

お子さんの治療に関して、心掛けてることは?

大抵のお子さんは怖がりますね。形状は歯医者さんのユニットに似ていますが、左右を挟まれたイスに座らされ、目の前に知らない人(医師)が来る。それは怖いですよ。しかし、扱うところが粘膜などの非常に繊細なところなものですから、これくらい頑丈な支えがないことには、治療がままならなくなるのです。お子さんを治療するには、私はもちろんですが、周囲のスタッフの協力が不可欠です。それからお母さんの存在ですね。周りから「怖くないよ」と声を掛けてもらい、私からも優しく説明をしていく。大抵のお子さんはそれで、「痛くないんだ」と、わかってくれるものです。とにかく、初めてのお子さんであれば、「無理矢理に…」というのが1番いけないことですね。
理解してくれた子どもであっても、集中力は大人に比べて短いものです。痛みなくおこなうことはもちろん、出来る限り短い時間で治療を終えることを心掛けています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

風邪から副鼻腔炎に移行するということはよくあることですが、それでもなお、風邪の初期段階に置いては、内科を受診されることをお勧めします。最近の傾向として、風邪が長引いて咳が止まらなくなるというお子さんをよく見かけます。となると、胸の方がまず心配になりますよね。結核も珍しくない病気ですし、マイコプラズマ肺炎、咳喘息といったものは内科的な疾患です。もちろん初めから耳鼻咽喉科を訪ねていただいても良いのですが、そうしたリスクを考えれば、まずはかかりつけ医にしっかり診てもらい、必要になれば私たちの出番、という形が望ましいと思いますね。
※上記記事は2014.11に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

むつみクリニック 釼持 睦 院長

むつみクリニック釼持 睦 院長 MUTSUMI KENMOCHI

むつみクリニック 釼持 睦 院長 MUTSUMI KENMOCHI

  • 出身地: 茨城県
  • 趣味・特技: ゴルフ
  • 好きな本・愛読書: 医学関連書籍
  • 好きな映画: アルゴ
  • 好きな音楽・アーティスト: クラシック / ビートルズ
  • 好きな言葉・座右の銘: 真面目にコツコツと
  • 好きな場所・観光地: 家の庭

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