石井 正仁 院長(石井歯科医院)のインタビュー

石井歯科医院 石井 正仁 院長

石井歯科医院 石井 正仁 院長 MASAHITO ISHI

この道に至るきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。

プールで怪我をしてしまったんですよ。顔を32針縫った上に目も怪我をして、失明寸前だったと聞きました。小学校6年生の時のことです。幸いなことに担当してくれた先生方が献身的に治療をおこなってくれたおがけで、なんとか無事に済みました。子供心に「ありがたいなあ」と感じましたよね。「医療に携わりたい」という気持ちは、その時点から湧いてきたものと思っています。私が大学生だった当時、「歯科が足りない」という時代でした。今とは全く逆の状況です。とにかく患者さんの数に対して歯科医師の数が足りないものですから、きめ細やかな治療をおこなうことが出来ず、不満も少なからずあった。その状況を考え、私は歯科を志すことに決めたのです。
大学を卒業後は渋谷にある歯科医院に勤務しました。そちらはあの当時としては珍しかったかと思いますが、30分におひとりという枠で患者さんを診ていく方針を採っていました。そのおかげで、時間に追われることなく、つぶさに診療をおこなうことが出来た。その時の経験が、今にも確実につながってるように思います。
『石井歯科医院』は1982年にこの地に開院致しました。当時は青葉台駅の周辺も同じようなものでしたが、この辺りも今の様相は予想も出来ないくらい、家もまばらという状況だったことを思い出します。ただ、それを差し引いてもとにかく歯医者さんの数が少ない時代でしたから、開院後しばらくは21時を越えて診療をおこなうことが普通にありました。あの頃と比べればこの辺りも歯医者さんが増え、患者さんにとっては非常に良い時代になったと言えるのではないでしょうか。

『石井歯科医院』の診療方針を教えてください。

歯医者さんの治療には、保険診療といわゆる自由診療とがありますが、私としてはその区別をするつもりはありません。ですからここには、特別室といったものもない。みんな一緒が原則。すべての方が私にとって重要な患者さんであり、その意識が、1番の診療方針なのです。
青葉区にお住まいの方々は健康意識が高いですよね。勉強もされているから、こちらとしてはその想いに応えていかなければなりません。開業当初から比べて、この辺りもご年配の方が増えてまいりました。以前、診療室に入ってくるには階段を上らなければならなかったのですが、それが難しくなってくる。「なんとかならないか」というご要望に応える形で、医院の裏側に駐車場を設け、スロープも付けて車イスの方が出入りしやすい形としたのです。1つひとつの治療内容はもちろんですが、大前提として、すべての方にとって優しい歯科医院でありたいというところです。

診療の際に心掛けていることをお話しください。

各ユニットに設置してあるモニターには、私が趣味で撮った写真が流れるようになっています。やはり、こういうところって入ってきにくいでしょ(笑)。その気持ちを少しでもやらわげていただけるよう、木彫りの像やあれやこれやと、治療に関係のないものも診療室には置いてあります。リラックスして治療を受けていただきたいということですね。私は、患者さんから世間話をしていただけるようになると、「良かった」と思うのです。世間話は診療を邪魔するものではなくて、むしろ必要な要素だと思うんですよ。つまるところ、信頼関係がなくてはこの仕事は成り立ちません。歯の話ばかり、健康の話ばかりでは、その距離はいつまで経っても縮まらない。そればかりでは困りますけど(苦笑)、潤滑油としての“余計な話”は診療に不可欠だと私は思っているのです。

NPO法人口腔健康推進協会サークルiの活動とは?

お口をきっかけとして、全身の健康にどう取り組んでいくべきなのか。その考え方について市民の皆様に広く啓蒙をおこなっていくのがサークルの趣旨であり、年に4回、フォーラム等を開催しています。今、この国の大きな問題として医療費の高騰があることは皆さんご存知だと思います。その対処の方法として挙げられるのが、治療を中心としたものから、予防を中心とした医療へのシフトなのです。ところが、これを広く知っていただくための機会がほとんどないものですから、僭越ながら私どもが少しでもそのお役に立てればと思っているのです。
この活動の特色としては、専門家の枠にとどまってないということにあります。一般の方ももちろん参加していただけますし、パネリストは歯医者さんもいれば、お医者さん、薬剤師さん、さらに学校の先生や管理栄養士、介護に携わっている人まで様々です。それぞれの立場から助言をいただくことにより、より有効な手段を生み出すことが出来ればと考えています。
歯医者さんが、お口のことだけを診ていれば良いという時代は過ぎ去りました。口腔内科と言いますが、お口から全身のことに考えをめぐらしていく。みんなが健康に過ごしていけるよう、診療室の枠を越えて外へと発信していくことも、我々に課された使命と思っています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

お口の中の健康を維持するには、定期的なチェックが1番。何もせず、痛い時だけ来るとなると、その時には病状は相当程度進んでいることになります。疾患の種類によっては慢性の炎症がずっと続いているということもありますしね。8020運動をご存知でしょうか。80歳になった時にご自分の歯を20本保つ。最近はそれを達成する人がどんどん増えてきている状況なのですが、やはり、メンテナンスを繰り返している人のほうが結果は良いのです。
3ヶ月、ないしは4ヶ月、半年に1回といったペースで歯科医院でメンテナンスをおこなうことを習慣づけていただきたいですね。

※上記記事は2015.3に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

石井歯科医院 石井 正仁 院長

石井歯科医院石井 正仁 院長 MASAHITO ISHI

石井歯科医院 石井 正仁 院長 MASAHITO ISHI

  • 出身地: 山梨県
  • 趣味・特技: 写真、デザイン、インドアプレーン、スキー、トレッキング、渓流釣り
  • 好きな本・愛読書: 日本カメラ
  • 好きなアーティスト: 小田和正
  • 好きな場所・観光地: 北海道(釧路湿原、知床、旭岳)、屋久島

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